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ケーススタディ

意志を持って流れに身を任す

  新年を迎えるにあたりこれからの自分の活動に対して心に期すことを塾考するのがこの時期。 仕事は毎年のことながら様々なことをやってみたいと紙に書くのだが、達成出来たことはそのうちのほんの数%あるかないか。今年こそと、また紙に色々書くのだがどうなることやら・・・。

私の唯一の野外の趣味がゴルフ。ゴルフの目標は明快に設定できる。今年こそ100をきる、等の数字の目標が可能であり自分自身の努力以外に上達の道が無いからである。 ただゴルフは一緒にプレイする仲間も大事な要素。私にはお蔭様で気を使わずにリラックスできる仲間がいることが本当に有難いと思っている。

そのゴルフ仲間の一人。
彼は会社の成長を、その3代目経営者と共に管理部門の中核管理職として支えてきた。私は以前、研修や採用のお手伝いもしたこともあり、その誠実さはビジネスマンとしてとても信頼できるものであり、その姿勢はゴルフにも通じている。  その彼が数年前、企業再編に関わりそれが終了するや否や、2ヶ月ほど休む病に倒れた。ストレスが原因だったのだろう。その後復帰したものの、企業側の気遣いもあったのか管理職からはずれ支援スタッフとしてしばらく勤務していた。そして数ヶ月経ち我々からみれば心・技・体共、以前の元気な状況に戻った様子だったが、会社側からは何のお達しも無く日々が過ぎた。そうしている間に本人は元々謙虚な性格だったせいもあるが、会社の戦力になっていない自分を深慮し「退職」を考え始めた。おそらく前の職場や役職には戻れないだろうことも意識して、自分のキャリアはどれくらいの価値があるのか、今の年齢で雇用先はあるのか等々を自問自答しだした。  彼と飲みに行ったある日、私は質問した。「今の会社は好きか否か」と。
愛すべき経営者とともに歩んできた30年間。彼はその経営者はいまだに大好きだという。
これからも頑張って欲しいと。そして自分のこれからの人生のイメージはまだ無いとも言う。

 私のアドバイスは決まった。急ぐことは無い。「意志を持って流れに身を任せてみれば」と。彼にとっては意外な選択肢のようだったが、そういう考え方もあるんだと納得の様子が窺えた。 まもなく、彼に異動辞令が出た。全く経験のない部門のしかも担当者として。 しかし彼は動揺することも無く、与えられた立場で一生懸命働いている。意志を持って流れに身を任せながら、次のステージの為に自己研鑽を続けている。

「意志を持って流れに身を任す」ことは現状維持という意味だけではなく、転職、進学、出会い、プロジェクト、色々な場面の選択肢として必要な要素の一つだと彼をみて実感する。 自分の意志が入っているので決して消極的な選択肢ではないのだ。 いろいろあったが、私にとっては彼がいまだにいいゴルフ仲間でいることが何よりうれしい。   

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