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ケーススタディ

説明責任と入社の覚悟

先月、この春に再就職のアドバイスを差し上げた方から電話が入った。
「昨日、ある企業に入社しました。」
よかったなぁと思い、おめでとうございます、と言おうとしたとたんに、「相談があります」と続けて話された。どうも入社前の条件と、入社後に聞いた社員の話と違うので辞めたいということだった。入社前にきいていたより実労働時間が長いらしい。
転職も初めてなので多少混乱しているのか、入社前の話と違う、ということをいろいろと話してくる。
まだ入社一日なので、そんなに矛盾を感じるのはおかしいと思い「あなたが体験したことと、社員から聞いた話や想像の話しと、分けてみてください」とアドバイスし整理してもらった。結局全てが社員から聞いた話、それも事実だけを聞いている話だった。
彼の気になるポイントは労働時間。規定の就業時間よりも長い、という事実一点のみに不安を感じていた。

その会社を紹介した人材系企業や知り合いに、どんな会社なのか、と問い合わせてみると、中小企業ではあるが成長企業で世間的にも評価が高い会社であるようだった。
成長企業なので、何かとやることも多く、必然的に管理職の労働時間は長くなっているようだった。
本人は初日・2日目は定時で帰れたようで実被害はなかったのだが、社員に聞いた労働時間一点がどうしても気になり、3日目に退職を申し出、入社前の説明をしてくれた社長も了承することで、この件は終結を迎えた。

まずは、会社側の説明責任。規定上の話だけをするのではなく、どういう理念、戦略、経営者としての夢がある会社で、どんな文化をもった組織なのか等、文字・文書ではわからないことも伝えてこそ、しっかり支えてくれる共鳴者=社員が集まる。
そして求職側の覚悟。ここに勤めようと決めたら、一生懸命に働いてみる。新人の時にはできていたはずなのに、転職の際はどうしても以前に勤務していた会社と比較してしまうのだ、それは働き甲斐を比較するのではなく勤務の諸条件で。


企業側も求職者側もこの件を「縁がなかった」で済ますことなく、次の活動に是非つなげていってほしいものだ。

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