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ケーススタディ

自分とコミュニケーションしよう

 先日ある大学の授業に呼ばれて、キャリアについて話をさせてもらった。私が担当するセミナーや研修は自分から受けたくて来る人、身銭をきって自己負担で受けに来る女性も多く参加意欲は高い。
そんな場面に慣れているせいか、あまりの無表情・やる気のない態度にしばしボーゼン。喜怒哀楽がまったく感じられないのだ。

友達でもない、先生でもない、外部講師という立場の私にどのような表情をとっていいのかわからないのだろうか。気を取り直して、人数も少ないし今日は大阪弁でフランクに話そうと心を決め、ボケとツッコミも演じてみる。しかし笑わない。問いかけても反応がない。私の腕も落ちたかとちょっと情けなくなる。それでも話し続けると、ようやく表情にかすかな変化が現れ始めた。真剣な様子や確かに興味を持っている様子が感じられる。最後には質問をする学生もいてやれやれと一安心した次第。
先生によると表面的には無表情でも内面ではいろいろ考えているし、やる気をもっている学生も多いとか。その証拠に最後に頂いた感想文には賞賛の言葉も少なくなかった。
『それにしても・・・』である。大学生になっても、これほどまでに自分を表現するスキルが身についていないとはショックである。表面的な態度と内面の豊かさのギャップに、なぜだろうと考え込んでしまった。イマドキの若者はそうだと言ってしまえば簡単だ。○×式で失敗を許さない学校教育の弊害だともいえるだろう。就職活動になったらしっかりしてくるのかも知れない。

けれど、コミュニケーションスキルは自分を表現する手段であり、他者との関係性を築く上でとても重要なスキルだ。とりわけ就職活動においては、その表現方法いかんによっては、本当の自分を理解してもらえないことにもなってしまう。
自分をどう見せるか、どう見られたいか、自分の何を伝えたいのか、マニュアルにいくらハウツーが書いてあったとしても、最後は自分自身の表現力が勝負だ。声が大きいとか、話題が豊富だとか、元気がいいとか。それは表面的なことだ。
一番大切なことは、相手としっかり目線を合わせ、相手の話を理解し、受け止め適切に言葉を投げ返すことができるかどうかだ。
コミュニケーションはよくキャッチボールにたとえられる。テニスボールをなげているのにサッカーボールを投げ返す人。ラグビーボールのようにどこに飛んでいくかわからない人。剛速球で投げ返す人。受け取ったかどうかもわからない人。そんな人は相手に不安感と不信感を与えてしまう。そうなるといくらスキルや経験があっても、なかなか理解してもらえないことが多い。しっかりしたコミュニケーションは相手に信頼感と安心感を与え、会話が弾んでいくものだ。

自分の表現スタイルを一度客観的に考えてみよう。相手によってどんな違いがあるか、それがどんな印象を相手に与えているか聞いてみるのも悪くない。自分が思っている自分とは違う一面を他人から教えられることは多い。
自分らしさ、自分のよさを表現するために、まずは自分とコミュニケーションしてみよう。ステキな自分に出会ったら、それを相手に伝える努力を惜しまないでね

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